INTERVIEW

4月15日放送開始TVアニメ『アトム・ザ・ビギニング』
天馬 午太郎役 中村悠一さん、お茶の水 博志 役 寺島拓篤さん
インタビュー&グラビアを公開!

――――今回おふたりは、天馬博士とお茶の水博士という、『鉄腕アトム』に登場する誰もが知っているキャラクターたちの若かりし日の姿を演じるわけですが、オファーが来たときにはどんなことを思われました?

寺島 僕はお話をいただく前から『アトム ザ・ビギニング』を読んでいたんですけど、自分に役として回ってくるとは思わなかったので、単純にびっくりしましたね。

中村 僕はオーディションを経て入ることが決まってから原作を読ませていただいたんですけど……根本的な話になりますけど、やっぱり「手塚作品というのはスゴいんだな」と思いましたね。手塚治虫先生が亡くなってからも、他人がキャラクターを使って世界を広げることができる。それぐらいキャラクター像がしっかり定まっている。『アトム・ザ・ビギニング』というスピンオフ作品に触れることで、あらためてそのスゴさを感じました。

――――演じる上での心構えなどはありますか?

中村 1話のアフレコの際に、佐藤竜雄監督から、この作品で演じるに当たっての心構えに関する話があったんです。「2017年に作っている作品だけど、原点の『鉄腕アトム』は昭和のものだし、この作品にも何か今の作品にないような泥臭さとか、熱さとか、そういうものがあるといいな」と。その言葉に感じ入るところはありました。今の技術で作りますし、今の役者が演じますけど、昔から続く『鉄腕アトム』と繋がっているもの、何かひとつくらいは『鉄腕アトム』らしいものを受け継がなければいけないのかなと思ったんです。

――――それはどういうものなのでしょう?

中村 本当に抽象的になりますけど、大事なのは「魂」だな、と。ちょうど今日アフレコした2話にもそんなセリフがあったんですが。技術的なことじゃなくて、気持ち。佐藤監督の言葉を聞いて、ひとつ引き締まるような想いがあったんです。他のキャストも、何かその言葉で演技の方向性が定まったんじゃないかなと、勝手に僕は感じました。「まとまったな」という手応えがあったんです。

――――この作品は天馬とお茶の水のコンビ感がキーですよね。おふたりは相手の役についてはどんなご印象をお持ちですか?

中村 お茶の水は天馬の対局にあるんですけど、自信がないわけじゃないんですよね。自分がやっていることが間違っているのかな? と思うことはあっても、やりたいことは決まっている。で、目指しているものは天馬と共通している。だから親友なんだと思うんです。「自分がやっていることは、みんなには伝わらないものなのかな」というのがお茶の水の考え方で、天馬は「わからせてやればいいんだ!」と考える……そこの差は大事で、天馬がまわりに受け入れてもらうためには、お茶の水が必要なんですよね。足りないところを補っているとは感じますね。

寺島 本当にそうだと思う。天馬の方が年下なんだけど……。

中村 そんな感じ、ないよね。

寺島 そう(笑)。彼の態度は自信に裏打ちされているから。

中村 年上に対するものの言い方じゃない(笑)。

寺島 午太郎って実際に能力があるから、もともと持っている自信家なところがより膨らんでしまっている。それにプラスして、若くて経験が浅いこともあって、悪びれない、はばからない部分がある。そこがいいところであり、心配なところであり……という印象ですね。そして、そうしたところをフォローしつつも、お茶の水にも結局一緒になってしまう、まだ大人になれていないところがあって。そういうふうにして、ふたりの関係の調和が取れているところが面白いなと思いますね。

中村 お茶の水はエゴを隠せるんですよね。というか、自分の心でエゴを押しつぶせる。天馬はエゴを消せないので、常に相手に押し付け続けるんでしょう。

――お茶の水はひとりでもそこそこやっていけそうですよね。そんな彼が天馬を必要としているのは、どんなところに理由があるんでしょう?

寺島 まず根本的に熱量ですよね。天馬は科学に対する熱量がわかりやすいですし、それに対して絶対に努力を怠らないとか、研究をやめないとか、そういう科学への愛がある。そこがいちばん大きいと思います。

中村 対局にあるけど嫌いじゃないんだよね。

寺島 そうそう。

中村 それがいちばんお互いに大きいんだと思うんですよ。これが敵対関係にあると、なんでお茶の水は自分の考えた技術を世間に出さないんだ、無能どもにわからせてやればいいのに……みたいな考えになって、天馬は魔王のような行動に出ると思うんですけど。

寺島 (笑)。

中村 でも仲が良いから、お茶の水のような伝え方は自分にできないと認めているんだと思うんですよね。お茶の水も、午太郎みたいな他人に力でわからせるやり方が自分にはできないとわかっていて、でもそれはそれでひとつの形としてあることが理解できる。認めているんだと思うんですよね。

寺島 ちょっとしたあこがれみたいなものもあるんでしょうね。「天馬みたいにできたらな」と。

――――では最後に、放送を楽しみにされているみなさんにメッセージをお願いします。

中村 馴染みがあるようで馴染みがないのが、古典に近いような、昔から続く作品の特徴だと思うんですが、この作品にはみなさんに受け入れられる要素がすごくあると感じています。語られている内容は明快ですし、ロボットが人間と横並びに近くなってきているこの作品の時代背景は、今の僕たちにとって現実的に感じられるものなのかなと思います。言い換えれば、この作品の中で問題になるテーマは、これから自分たちの身に降りかかるかもしれないテーマなんだなという風に考えると、哲学的な作品としても楽しめるのかな、と。いろいろな視点で見てほしいですね。

寺島 『鉄腕アトム』が連載されていたころ、そこに描かれていた未来は夢物語だったと思うんです。この作品ではその前の時代が描かれていて、逆に実際の世界は『鉄腕アトム』の世界に近づいている。だから完全な「空想科学」とは言い切れないところが作品の面白さのひとつかなと、僕も思っています。現実の未来に思いを馳せながら、夢中で楽しんでもらえたらうれしいです。

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